【大野裕の言の葉だより】 第7回 『無くて七癖、こころのクセ』
2024年03月10日 21:01
大野裕の言の葉だより
メールマガジン 「ぬくもっとメール」 vol.7 [2024/2/25配信]
第7回
『無くて七癖、こころのクセ』
私のYouTubeチャンネルのなかに「無くて七癖、こころのクセ」というタイトルの動画をアップしています。
それは、人には誰にもその人なりのこころの癖があるが、それはその人の特性で、
必ずしも悪いものではないということを伝えたいと考えたからです。
認知行動療法はこころのクセを変える方法だと言われることがあります。
白か黒か、決めつけるような考え方をして余裕がなくなったり、
こうすべきだと自分を縛りつけるような考え方をして息苦しくなったり、
人が自分のことを悪く考えているのではないかと考えて不安になったりしやすい人がいます。
だからと言って、その考え方を変えるようにすれば良いかというと、そう単純なものではありません。
そのような考え方をするのは、それに意味があるからです。
とっさの判断が必要なときには、白か黒かで考えて早く結論を出す必要があります。
厳しい状況のなかでメゲそうになったときに、どうしても必要なことや大切なことは、こうすべきだと考えて頑張る必要があります。
人間関係がギクシャクしてきたときには、相手の人の考えを読みながら自分の対応を変えていく必要があります。
どれもが大切なこころの動きです。それをすべて悪いものだと言ってしまうと、ますます苦しくなってきます。
大切なのは、そうした考えをした時に、それが役に立っているかどうかをちょっと振り返るこころの余裕を持つことです。
ですから、認知行動療法では、そうした特徴を見つけてそれを変えるように勧めるのではなく、
気持ちがつらくなったときにちょっと立ち止まって、どのような流れでその考えが出てきて、
その考えが役に立っているかどうかを振り返るこころの余裕を持てるように手助けしていくようにします。
※YouTubeチャンネル ⇒ 精神科医・大野裕のファストレッスン vol.21【無くて七癖こころのクセ「短所は長所!」】
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