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【大野裕の言の葉だより】 第28回『CTRS-Rの評価項目:重要な認知または行動への焦点づけ』

2025年03月19日 18:07

 大野裕の言の葉だより 

メールマガジン 「ぬくもっとメール」 vol.29 [2025/3/1配信]


第28回
『CTRS-Rの評価項目:重要な認知または行動への焦点づけ』

認知行動療法の治療の目標は、様々な技法を用いて、
クライエントが目標やアスピレーションを達成するために不適応モードから適応モードに移行できるように手助けすることです。
それに先だって、クライエントにとって最大の障害になっている具体的な認知や行動を具体的に特定する必要があります。
その際に、セラピストは、アジェンダに関連するアスピレーションや課題に関連する
具体的な認知、イメージ、感覚、感情、行動、意味に焦点を当てるようにします。

こうしたことが可能になるためには、認知行動療法のセラピストは、概念化・定式化と呼ばれる「みたて」の作業をきちんと行っておく必要があります。
そのために、治療初期に行う、その人の生まれ育ちに基づくみたて(縦断的概念化)、症状発現の誘因と維持要因のみたて(説明的概念化)、
そして、現在起きている困りごとと認知・感情・行動・身体反応との関係に関するみたて(記述的概念化)が重要で、
それをもとにその回のアジェンダにした問題の背景要因として重要な認知または行動を認識し、患者と共有します。

評価にあたっては、アジェンダに関連する特定の認知、行動、アスピレーションに焦点を当てることができた場合に2点になります。
さらに、セラピストが最も関連性の高い認知、行動、アスピレーションに焦点を当てた場合に3点をつけます。


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