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【大野裕の言の葉だより】 第26回『新年のご挨拶「百聞は一見にしかず」』

2025年01月31日 21:01

 大野裕の言の葉だより 

メールマガジン 「ぬくもっとメール」 vol.27 [2025/1/14配信]


第26回
『新年のご挨拶「百聞は一見にしかず」』

あけましておめでとうございます。
今年も「ぬくもっとCBT」をよろしくお願いいたします。
これまで「言の葉だより」では、「認知療法尺度改訂版CTRS-R」の紹介をしながら、専門的な認知行動療法の解説を続けてきましたが、
今年最初の今回は少し趣向を変えて、私が今年取り組もうとしていることについて書かせていただくことにします。

認知行動療法は、多くの方々のご協力で、ずいぶん知られるようになりましたが、翻訳文化にありがちの誤解も広がってきています。
そこで、今年は「百聞は一見にしかず」というテーマを活動の軸のひとつにすることにしました。
じつは、これは昨年から大事にしているテーマで、昨年は林竜也先生(林こころのクリニック)にお願いして、ベックCBT研究所のオンデマンド研修動画『動画で学ぶCBT実践のコツ:CBT in Practice: Essentials II』に日本語字幕をつけていただき、公開しました。

その流れを受けて、今年の3月22日に動画研修会を開催します。
これは、アーロン・ベック先生始めベックCBT研究所関連の専門家の面接を視聴し、私が認知行動療法の解説をしていくという試みです。
参加していただく方と一緒に、本家のベックCBT研究所の専門家の面接を観ながら認知行動療法の勉強をしたいと考えてのことです。
私にとっては初めての試みなのですが、私の面接動画などもお見せしながら、わかりやすく身になる研修会にしたいと考えています。

もうひとつが、『図説 日常臨床で生かす認知行動療法(仮題)』(金剛出版)の出版です。
図を交えながら認知行動療法の基本を解説するとともに、ベック先生たちとの思い出やYouTubeなどの動画を紹介し、
体験的に認知行動療法を勉強できる内容になるように準備を進めています。

じつは、金剛出版からは2014年に『精神医療・診断の手引き―DSM-IIIはなぜ作られ、DSM-5はなぜ批判されたか』を出版しました。
自分が生きているうちに、自分も参加したDSMの作成の背景を紹介しながら、精神医学について思うところを書きたいと考えてのことです。
ある意味で遺作のつもりで書いたのですが、幸いにして今も健康に生活を続けることができていますので、もう一冊遺作になるものを作ろうと考えて執筆しています。

このほかにも、ベック先生の遺作となった『うつ病の認知療法 第2版』を監訳して岩崎学術出版社から出版する予定にしていますが、
これについても機会を見て、紹介させていただきたいと考えています。

それでは、今年もどうぞよろしくお願いいたします。


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