【大野裕の言の葉だより】 第27回『CTRS-Rの評価項目:導かれた発見』
2025年02月14日 22:09
大野裕の言の葉だより
メールマガジン 「ぬくもっとメール」 vol.28 [2025/2/1配信]
第27回
『CTRS-Rの評価項目:導かれた発見』
誘導による発見guided discoveryはソクラテス的質問としても知られていて、面接を通して協働的に行うことが求められます。
セラピストは、指示的アプローチではなくソクラテス的な質問を用いて、クライエントがアジェンダに関連した認知に働きかけていきます。
その際に、セラピストは、クライエントがどのように考え行動すべきかを指示するのではなく、
認知再構成、行動計画と行動実験などのさまざまな方法を用いて、
クライエント自身が様々な視点から考えて自分なりの結論を導き出せるように問いかけていきます。
このように、別の視点や解決策を検討できるように手助けしていくことによって、
クライエントの視野がひろがり、より適応的な考え方が身につくようになります。
その結果、クライエントの不適応なビリーフは適応的なビリーフへと転換し、前向きの視点から問題に取り組んでいけるようになります。
そのとき、セラピストは、そうした変化が起きていることを取り上げるようにします。
CTRS-Rの評価は、以下の3点について行います。
① クライエントがアジェンダに関する認知を転換できるように面接を進めた
② セラピストの考えを押しつけることがなかった
③ 介入によって認知が変化したことを評価した
評価にあたっては、①~③のプロセスが行われていた場合に2点、
それをスムーズに行い、認知の変化がクライエントの感情や行動に与えた影響まで評価できていれば3点とします。
⇒ バックナンバー(大野裕の言の葉だより)
--