ぬくもっとCBT|CBTぬくもりと情報のポータルサイト

【大野裕の言の葉だより】 第31回『CTRS-Rの評価項目:アクションプラン(ホームワーク)』

2025年05月12日 23:00

 大野裕の言の葉だより 

メールマガジン 「ぬくもっとメール」 vol.32 [2025/4/18配信]


第31回
『CTRS-Rの評価項目:アクションプラン(ホームワーク)』

アクションプランというのは、以前にホームワーク(宿題)と呼ばれていたものです。
しかし、ホームワーク(宿題)と呼ぶと、決まった課題を練習するような印象を与えるので、最近はアクションプランと呼ばれるようになりました。

アクションプランは、セッションで学んだ知識やスキルをセッション後に活用するために診療と診療の間に試してもらう計画で、日常生活を治療の場にするアプローチです。クライエントがセラピストと過ごすごくわずかな時間に比べて実生活で過ごす時間が圧倒的に多いことを考えると、計画を立てて面接で話し合った内容を確認してもらうことは重要で、回復速度を早め、治療効果を高める効果があることが実証されています。

アクションプランは、面接中に方略(スキル)を使ったときに簡単に話し合い、面接の最後に予定されているアクションプランすべてを注意深く見直し、実行を妨げる潜在的な障害を明らかにして、それらの障害に適切に対処する方法を考えます。

アクションプランの評価は以下の3点がポイントになります。

①序盤のアジェンダ設定の際に、前回のアクションプランを振り返ります。
振り返り自体はアジェンダ項目で評価されますが、より詳しい振り返りは面接の後半で行い、アクションプランの項目で評価します。

②クライエントが主体的に参加できるようにします。
クライエントに意見求めたり、クライエントが自発的に出したアイデアを取り入れたりするようにします。

③面接の中で行ったことをもとに効果的なアクションプランを決めます。
しかも、そのアクションプランが実行されれば疑問が解消され、よりよく対処したり、新しいスキルを伸ばしたり、または人間関係が改善したりする可能性が高いことが重要です。


評価にあたって、以上のすべてができていれば2点になります。さらに以下のことまでできていれば3点です。

  • 何をすべきかクライエントがわかっていて、それを実行でき、
    しかもアクションプランを実行する時間、場所、頻度、期間が明確であることを確認できている。

  • クライエントがアクションプランを実施できるかどうかの可能性を評価した。

  • アクションプランを行う可能性を低下させる可能性のある課題や障害に対処した。


    バックナンバー(大野裕の言の葉だより)


--

トップページに戻る
--