【大野裕の言の葉だより】 第18回『オンデマンド研修動画開発の背景』
2024年09月01日 10:54
大野裕の言の葉だより
メールマガジン 「ぬくもっとメール」 vol.19 [2024/8/12配信]
第18回
『オンデマンド研修動画開発の背景』
すでに号外で案内させていただいたように、ベックCBT研究所のActing Executive Directorのアレン・ミラー先生によるオンデマンド研修動画”Cognitive Behavior Therapy in Practice: Essentials II”(CBTIP-II、改訂版 認知行動療法実践のコツ)が日本語字幕付きで視聴していただけるようになりました。
有料(450ドル)ですが、日本認知療法・認知行動療法学会の会員の方は1割引で購入していただけます。
このことを、ベックCBT研究所所長のジュディス・ベック先生はとても喜び、その魅力を伝える紹介動画を送ってきていただき、学会のホームページにアップされました。(※1)
このオンデマンド研修動画Essentials IIは、ずいぶん前にジュディス・ベック先生が担当したEssential Iに続いてリリースされました。新しいオンデマンド研修動画が作られたのは、Essential Iがリリースされた後にアーロン・ベック先生が提唱したリカバリーを目指す認知行動療法(CT-R)の影響があります。
CT-Rは相談者のアスピレーションス(夢や希望)やレジリエンス(こころの力)にも目を向けるアプローチで、当初、思い精神疾患を持つ人たちのために開発されました。その後、精神的な不調の程度にかかわらず、さらには精神疾患の有無にかかわらず、それぞれの人が自分らしく生きていく役に立つことから、これまでの認知行動療法にもその要素が組み入れられるようになりました。
例えばCT-Rの考え方は、デイビッド・A・クラーク先生とアーロン・ベック先生の「不安・心配と上手に付き合うためのワークブック」(岩崎学術出版社)に取り入れられていますし、先月米国で出版されたアーロン・ベック先生やジョン・ラッシュ先生たちの「Cognitive Therapy of Depressionうつ病の認知療法 第二版」(岩崎学術出版社)にも組み込まれています。
このように発展し続ける認知行動療法が書籍では紹介されるようになっていますが、実際の面接場面でそれをどのように活用するかを伝えるには動画が一番です。CBTIP-IIは、アレン・ミラー先生の面接を動画で紹介しながらCT-Rを組み入れた認知行動療法が解説されていて、実際の面接に陪席して見学しているような雰囲気で視聴できます。
CBTIP-Iを視聴していなくても問題ありませんので、ぜひCBTIP-IIを通して最新の認知行動療法を勉強してください。(※2)
※1)Judith S. Beck 博士からの動画メッセージ
http://jact.umin.jp/2475/ *外部サイト(日本認知療法・認知行動療法学会HP)へリンクします
※2)動画で学ぶCBTの実践のコツ「CBT in Practice: Essentials II」日本語版
https://nukumotto-cbt.hp.peraichi.com/articles/3822
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